不況と不労所得の関係性

不況と不労所得の関係性について

それを「利子」と呼ぶ。経済が上向きに なっている国や地域では、カネの持つ価値はそれだけ大きくなり、利子率は高くなるから、資本 は利子の高い国に流れていく。

 

 

不況の国や地域では利子率は概して低く、それに応じて利潤も低 くなる。このような利子率に高低差があると、不労所得資本は利子率の低い国で資金を調達し、 利子率の高い、景気の良い国に投資することになる。 かように資本主義経済というのは、一部の公共財と呼ばれるもの(たとえば水や空気)を除いて、 ありとあらゆるものに「値札」が付いている。不労所得資本はそれぞれの値札を比較し、どこに 動くのが有利かを決めるのである。しかし、かつては政治的もしくは技術上の制限があって国境 を超えて資本やモノ、あるいは人間が自由に移動することができなかった。さらに二○世紀後半 からである かつて、資本主義が狭い国境の中に押し込められていたときには、資本主義は高低差を徹底的 に利用するというわけにはいかなかった。

 

利子と不労所得の関係性

 

すでに述べたことだが、たとえば賃金一つをとってみ ても、ローカルな資本主義においては資本家が労働者を徹底的に搾取することは、労使双方の共 倒れを招いてしまう。地域に限定されたマーケットにおいては、生産と消費が一致しているのだ から、消費を拡大するためには賃金をそれなりに上げないと、企業の収益も増えない。 マルクス経済学では「資本主義は労働者を搾取、収奪するメカニズムだ」とされていたわけだが、 不労所得経済以前の資本主義では、それは間違いであった。むしろ資本主義にとっては、過度 においては東西冷戦があったせいで、資本主義が活動できる地域は西側世界に限られていた。 ところが、東西冷戦の終結を機に、東側世界が一挙に不労所得マーケットに入り込んできた。 また、その頃から始まったIT革命によって、世界を結びつける情報通信技術が花開いた。

 

 

 

その 結果、不労所得・マーケットが現実のものになり、ヒト・モノ・カネの「高低差」が一気に拡大す ることになった。先ほど述べたように、先進国が安い賃金の労働者を雇って、大きな収益を上げ られるようになったのもその一つだし、また利子の低い国で調達した資金を高利回りの国に投資 することもできるようになった。 かくして、資本主義というタービンはグローバリゼーシヨンによって、人類史上、かつて例を 見ないほど高速に、そしてパワフルに回転するようになったわけである。不労所得化で国境と いう「くびき」がなくなったことで、資本主義は制御不能のモンスターになってしまったとも言え る。 適切な再配分を行なうことのほうが、資本主義の成長に とっては有利であったのである。 しかし、不労所得主義の時代に入ると、資本主義はその様相をすっかり変えてしまった と言えるだろう。

 

不労所得