不労所得と税金の問題点

不労所得と税金

この不労所得マニュアルを今、読んでいるあなたはもちろん保険料を払っているだろうから、そういう心配は少ないかもしれない。

 

だが、これから数十年経ったときに、日不労所得マニュアルの社会に年金ももらえず、住む場所もない人たちがたくさん現われたら、どうなるだろう。

 

路上で極貧生活を送っている人たちに対して「自己責任だから、のたれ死にしてもしょうがない」とあなたは言えるだろうか。

 

そんなふうに他者に対して同情を持たない社会は、社会の名に値するだろうか。

 

基礎年金の財源を消費税方式に転換すれば、保険料を支払ったか否かに関係なく、すべての人に基礎年金が支払われ、すべての高齢者に最低限の生活が保障されることになる。

 

もちろん、その分、消費税率は上がるだろう。

 

しかし、その代わり、国民は保険料を支払わなくて済むのだから、国民全体が損をすることはない。

 

さらに付け加えるならばI実はここが重要なのだがI今のような保険料徴収システムを維持するのにどれだけの経費がかかっているかを考えてほしい。

 

消費税方式ならば、社会保険庁がこれまで(恐るべき非効率さで)やってきた未払い者に対する督促、台帳管理、支給基準の査定事務など一切の無駄な作業は不要になる。

 

また多額の消費をする富裕層のほうがより多くの消費税を負担することになるのだから、それだけ所得の再配分が行なわれることになる。

 

さて、「年金財源を消費税で」という提案をしたときに、かならず出てくる反論がある。

 

それは「消費税には逆進性がある」という議論である。

 

消費税には大いなる利点があって、どんな金持ちでも消費のたびに支払うことになるから脱税や節税ができない。

 

所得税ならばさまざまな節税テクニックがあるし、リスクを覚悟で脱税もできる。

 

しかし、消費税はそれが利かないのである。

 

だが、その一方で消費税は貧しい人にも一律かりに消費税をヨーロッパ並みの二○パーセントに上げたとしたら、年収二○○万の人の消費税負担は(すべての収入を消費に回したとして)、四○万円にもなる。

 

つまり、手取りは一六○万しかない。

 

一方、年収一○億の人は二億払うかもしれないが、それでも八億残る。

 

これでは貧しい人のほうが重税感があるというわけである。

 

たしかに、こうした逆進性の問題は重要である。

 

ことに、年収二○○万円も稼げない国民が一○○○万人を超える日不労所得マニュアルの現状では、消費税率のアップは彼らにとってはまさに死活問題と言に課税される。

 

もちろん還付の恩恵を受けるのは年収二○○万円以下の人ばかりではない。

 

たとえば、年間の消費が四○○万円の人は消費税八○万円、還付が四○万円なので、実質の消費税率は半分の一○パーセントにとどまる。

 

年間消費額が一○○○万円の人は、消費税二○○万円に対して還付金がとになる。

 

かといって、では低所得者にかぎり、あとで申告すれば消費税を還付するというやり方はどうかといえば、これは非現実的である。

 

そもそも、貧しい人には還付を請求する確定申告の書類を税務署に提出するだけの時間的、精神的余裕もない。

 

さらに、その申請に不正なものがないかを審査することにもなれば、それに要する人件費も巨額になる。

 

では、食料品などの生活必需品に限るというのはどうかといえば、これもまた、どこまでが無税対象になるかの線引きがむずかしいし、行政上の手続きが煩瓊になり、徴税コストを上げる。

 

そこで私が提唱したいのが、「還付金付き消費税」なのである。