不労所得とみずほ現行

不労所得とみずほ銀行

翌○二年暮れ、低迷を続ける日経平均株価がバブル後最安値を更新し続け、年明けに八千円台
半ばの大台を割りこむ事態となった。バブル最盛期(一九八九年末)の時価総額から換算して、
ざっと四割にあたり、言いかえれば「失われた十年」を経て、日本の金融市場からざっと三百八
十兆円もの富が〃蒸発〃したことになる。

 

一般に日経平均株価が八千五百円台を下落すると、銀行の自己資本比率が八パーセントを割り
こみ、八千四百円台を下回ると、大手生保の株式含み益が軒並みマイナスになるとされている。
さらに八千円を割りこむ事態になれば、一部の生保はきわめて危険な経営状態に追いこまれる。
大手銀行は二○○三年に入り総額二兆円を超す増資で自己資本を積み上げたため、平均株価が
八千円を割る状況でも何とか自己資本比率は健全性の目安である八パーセントは維持できる見通
しだ。しかし株価の低迷により、二○○三年三月期の大手銀行の保有株式の含み損は約六兆円に
達すると推計される。中間期からの半年間で約三兆円膨らんだ含み損により、増資で集めた資本
がすべて消えてしまう計算となる。また、生命保険会社も主要十社で二兆円以上の含み損を抱え、
金融機関はまさにギリギリの線まで追い込まれているといっても過言ではない。

 

不労所得は銀行のものになっている

 

大手生保は、いまや銀行の生命線といえた。両者は永年にわたり資本の持ち合いを進め、個々
の銀行と親密な関係にある生保が暴落する邦銀の劣後ローン、劣後債などを懸命に買い支え、資
金拠出してきた背景がある。

 

 

二○○二年九月末現在、大手生保十社が銀行に拠出した資金の内訳は、優先株(議決権はない
が、配当が高い株式)を含む株式が二兆七千五百億円、劣後ローンおよび同債券などが五兆四千
六百億円、計八兆二千百億円となっている。この大手生保へは、銀行から約二兆円が〃出資″さ
れている。つまりリスクを相互補完し合う〃運命共同体〃になっているのだ。不労所得とはまさ
におかしなはなしなのである

 

後で詳しく述べるが、もし仮にみずほグループが政府から破綻の危機ありと認定された場合、
統合された三行に注入された公的資金(総額一兆九千四百九十億円)を原資とする政府保有の優
先株は、ただちに議決権を持つ普通株式に転換され、自動的に国が圧倒的最大株主となる事態が
生じる。つまり事実上の国有化だ。h

 

 

そうなってしまうと、既存の株式の価値が下がり、その時点で大手生保の資産状況が悪化して、
破綻の危機にさらされる。

 

不労所得